【やがて君になる】第13話感想:デートで終わった最終回、金色に光る日光は燈子の新しい日の出となるか

やがて君になる第13話「終着駅まで/灯台」が放映、配信されましたので感想を書いていきます。

まずは一言だけ。

これからコミケに行く私を寝かさない気ですか!

ほしいジャンルの同人誌が初日にあるのに、感想の執筆でまた睡眠時間が削られちゃうよ・・・

ただでさえ寒波が来ているというのに!

さて、最終話をさっそく見ていくよ!

 

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終着駅まで

今回は最終回にして非常に重要な回ですね。

どこが重要かって・・・それは、生徒会の演劇をやった後の燈子ですよ。

冒頭、お墓参りで燈子は劇を演じきる、姉ができなかったことをやってみせると改めて姉の墓前にて強く願うんですが、そのあとの燈子はすっぽりと空白になっているんですね。

燈子はどこを終着駅として目指しているのかですよ。

もしその演劇を演じきったのが終着駅だったとしたら、その先にあるのはおそらく切り立った崖です。

演劇をゴールとしているためにその先の道がまったくない、まったくないということは見えているのは崖か明けることはない闇か砂漠の真ん中にあるどこに街があるかもわからない長い道か・・・

さすがに崖はいいすぎでしょうかね?

巷で言う自分探しをこれからえんえんとし続けないといけない、でも自分探しをしたところで成人しても40になっても還暦近くなっても見つかりっこないんです。

燈子の場合は姉を演じることにしたことで嫌いな自分を隠してしまったんですから、そもそも存在しない、見つからないものを探しようがありません。

本当のあなたは自分もよく分からない遠くの地にいるんですか?いません、あなたはいま、「ここ」にいます。

そして自分の知らないところでどこか遠くに行くこともありません。

幽体離脱~なんてしません。

自分探しなんてある種の現実逃避ですからね。

「最後まで演じきらないといけない」はたして燈子が言う最後とは一体どこなのか!?

最後なんてずらし放題な地点ですからね。

やはり演劇をラストとして見立てているんでしょうが、その先に待ち構えているのは茨の道であるのを本人は自覚しているのか、現状でも言葉が出てきていない以上、いざその最後にたどり着いたら着いたで翌日から燃え尽き症候群に陥り、頭が真っ白なことになっていそう。

燈子が自分を見つけて侑を含めて他人を本当に好きになるには・・・やはり自分自身のことを受け入れて、ナルシストにはならないまでも自分のことをちょぴっとは好きにならないといけないでしょうね。

はたして侑は燈子に告白できる時がくるのか・・・それは燈子が姉のかわりを演じるのをやめたとき、訪れるでしょう。

いやしかし、夏の日の夕暮れ、カミナリ雲が遠くで湧き上がっている空をここまで露出を暗くして色をかなり強調して悲しげに描ける作品なんてなかなかないぞ・・・

アニメ業界で名高い名監督、名演出家でもここまでは描けないのでは?

このシーンは燈子が喫茶店で沙弥香に自分から見た姉の印象を語った帰り道の背景なんですが、演劇をやりきった後の燈子の人生の訪れる不安を克明に描いていますね。

こういう空の色なので西の空は雲の切れ目から日が差している、夕立がやんだ後の空のような情景が想像できますね。

写真を趣味にしている私でもこの悲しげに描写した空はなかなか写真に収められないですよ・・・

参考:私が2017年初秋に撮影した金色の夕焼け

注文をするとしたら、8月も後半にさしかかった時期の17時ちょうどごろにここまで日が落ちてることは絶対にありえない点ですね。

8月後半の日の入りの時間は日に日に早くなっていますが、それでも18時台前半です。

上の画像は9月中旬ごろの撮影ですが、それでも17:45ころにならないとこの空にならないですから。

一方で燈子以外のキャラクターにも目を向けますと、やっぱり燈子の次に見てほしいのは沙弥香ですよね。

沙弥香の燈子に対する所作がとにかく細かいんですよ。

まずは、沙弥香の気持ちを知っている喫茶店のマスターに「仲いいのね」と言われてふてくされたり、姉のことを聞いてみたいけど燈子は自分の見た姉のイメージしか語れないと言ったのに対して、それも間違いではない、燈子が見た姉のことを聞きたいととやさしく肯定したり、帰り道に燈子に手を伸ばしても届かない、沙弥香の目ごしに見た燈子は別れた後にこちらを振り返ったりはしない・・・

すぐそばに好きな人がいるのに自分には決して振り向いてくれない、片思いな沙弥香を思うと悲しくて涙が出ますね。

おつぎに見てほしいのは箱崎先生と喫茶店のマスターですよ。

まずは飲み物をを飲んでるところにきた突然の珍問とかいうマンガの定石的な展開に問われた側が飲み物を吹き出したりむせたりしないのはこの作品ならでは。

この作品にそんなギャグ要素は1つもいらないのです。

この2人も不思議なめぐり合わせですよね。

女性に興味が無いときっぱりと言い切った箱崎先生がいまは女性と付き合ってるんですから。

そして、「言わなくてもわかるでしょ」という先生に、「言わないと分かんないよ」というマスター。

結局はぐらかされてしまうんですがここで私はFF8を思い出しましたね。

スコールとリノア、学園モノの恋愛ネタはこれまでのクリスタルの世界からは大きく離れているということで発売当時のプレイヤーの間では賛否両論でしたがこの作品、とにかく過去のトラウマにより主人公は感情をあらわにしなくなった人間でして、リノアはそれに振り回される格好に。

ストーリーの後半でしたか、あるときリノアは「言わないとわかんない」とスコールに言います。

それはスコールは自分の思いすら口に出さなくて、このシーンでもやはり思いを内に隠してしまっていることから出た発言だったりします。

※もうストーリーはうろ覚えです

ちなみにこの作品にはストーリーの途中で声が出せなくなった半サブキャラも登場するんですが、「言わないとわかんない」と言うリノアに対し、彼絡みのイベントでは言わなくても心は通じることを示すポジションとしてのシーンがいくつか存在しています。

沙弥香もこの先どうするんだろう・・・いまの燈子はどこかに境界線を敷いていて、それは侑ですらその線から先には行かせないようにしてるんですが、いずれその境界線を燈子が外すことになったとき、沙弥香も抑えきれない感情を燈子に出してしまうのか、私としてはそういう展開のほうが好きなんですけどね。

遠見駅のモデルがようやく判明

駅つながりでまったくの余談ですが、この作品に登場する遠見駅のモデルが判明しました。

なんと滋賀県内にあるJR西日本、琵琶湖線にある彦根駅がそのモデルです!

さんざん西武線を登場させておきながら、駅は遠く離れた近畿地方にあるのかよ!

※原作の時点で彦根駅がモデルとなっていました

ということは1度出てきた駅構内もこれも彦根でしょうね。

遠見駅は外観は近畿地方の小都市にあり、時刻表は渋谷の埼京線ホームとかいうなんとも変わった駅なんですね。

灯台

これは全くの予想外でしたね、まさかの劇で終わらない、お盆明けの侑と燈子の水族館デートで締めるエピソードでしたから!

今回のみどころはデートもそうなんですが、やはり侑と燈子が誰もいないところでやっていた練習兼即興劇でしょうね。

その即興劇は館内のイベントの開始時刻が近づいてきて、他の客がぞろぞろと集まってきたために途中で中断させられてしまうんですが、とくに侑のセリフは完全にアドリブであるために本心が遠回りながらも表現されています。

注目したいのはそのセリフですよね、侑は「話す人によってあなたの印象はバラバラ、その中から誰かの言うことを選ぶ必要があるんでしょうか、好きな花や好きな小説のように、あなた自身だけにしか知らないものがある、あなたはあなたのままでいい、誰かの言うバラバラな印象のどれか1つが正しくてほかはすべて間違っているとか、あなたの人柄はクイズの問題じゃないよ(かなり私が誇張しています)」と遠回りに燈子に変化をうながそうとしているんですが、それに対して燈子はやはり「私はだれかを選ばないといけない、私には記憶がない、なにもないんだから・・・」と返します。

あくまでも燈子は自分が嫌いだから完璧超人な印象の姉になろうとした、誰かの言うことを選び、その人が言う印象の人物を演じることで自分がかたちづくられていく、かたくなにそう思っているわけですよ。

合宿中の市ヶ谷さんの姉の印象の発言でその思いもかなり揺らいでいるとは思いますけどね。

自分と市ヶ谷さんが語る姉はどちらが本当のものなのか・・・今後はどちらの姉を演じればいいのか・・・さらに言うと、この演劇が終わったら、姉になれたら今度は誰を演じればいいのか・・・

侑は落ち込んでしまい二の句を継げなくなるんですが、「でも・・・」と何かを言いかけたところでイベントの開始時刻が近づいたために中断、ここで侑は何を言いたかったのかですよね。

いろんな立場、人間関係にある3人がそれぞれ別々な印象を語ったとして、それは全てあなたの性格、人物像なんだからそこには正解も間違いもない、もしかすると他の4人目5人目が現れてさっきの3人とはまた違う印象を語るかもしれない、けれどそれもまたあなた自身の持つ一面なんだ、誰かを選ぶんじゃなくてあなたはあなたのまま生きてほしい、そういうニュアンスのことですよねやはり。

デートの方へと目を向けます。

今回のデートはどこかの水族館!

そういえば高校生の時に私もデート?で葛西臨海水族園に行きましたね・・・

そのあと「好きな人と○○は違うと思い知らされた」と言われて、私は恋愛感情を持っていないのにフラれたんですけどね。

私はなんなんだよ、あなたの好きな人の代わりだったのかよ!

風邪ひいて寝床で言われただけに、今でも覚えていますよ。

私のことはどうでもいいので燈子と侑のデートに戻りまして、いいなあ、水槽を見てる侑の楽しそうな姿を見ている燈子!

お魚には興味なくても好きな人が楽しんでいるところが見られて私も楽しい♪ああ、完全に思春期のカップルの彼女側の気持ちそのものじゃありませんか!

イルカショーでは水しぶき、全身ずぶ濡れになるアナウンスを聞いて、白シャツを着てる侑のシャツの中が濡れて透けるところを想像してるとか!?

燈子はそういういやらしいことも想像すると言ってましたからね。

そんでもってデートの帰り、ラストの侑の「そろそろ乗り換えですよ」が意味深で意味深で!

乗り換えということは違う路線の電車に乗るということですから、燈子のこれからの生き方における違う路線への乗り換え口にも聞こえてきますでしょう。

寝てる燈子の顔を見ながら他人を演じてその人の人生を生きなくてもいい、これからは自分らしくあなたが求める人生を生きてほしいという人生の旅路の乗り換えをも促す侑のセリフにゾクゾクっときましたね。

このシーンは侑と燈子が電車に乗っているんですが、背景は西日がまぶしい演出、いっそのことこれは西日ではなく反対にこれからのあなたに対する日の出=東からさす日の光、新しい自分として前向きに生きてほしいことを意味するメッセージでもいいんじゃないかってほどの金色の空が輝いていましたからね。

総評

ということでやがて君になるもこれにて終わったんですが・・・

二期やってくれ、絶対二期やってくれ、お願いだから二期やってくれ!

侑が変えたいと提案した劇の結末のストーリーはこれから侑と燈子の関係をどう変えていくのか、その劇が終わった瞬間、姉ができなかったことを成し遂げた、姉になれた燈子はどういう人生を送る決断をするのか、この先のストーリーがものすごく気になりますよ!

原作を買って読んでくれってこれ他の作品と全く同じアニメ化のコンセプトじゃありませんか!

(基本的に昨今のアニメは原作のマンガやゲーム、あとは玩具の宣伝としての意味合いが強い)

よかったですよ、私のはじめての百合作品がこれで。

他の下手な作品だったら多分百合のジャンルに興味湧かなかったでしょうから。

私が今期見たアニメの中では一番ストーリーの展開が丁寧でしたね。

他の作品ですと内容量が多すぎるために削りに削った結果、今度は原作を見ないとその言葉や行動の意図が分からなくなってしまううえに駆け足になってしまう(特にラノベ原作に多い)ことがあるんですが、この作品の場合、いろいろと削っているんでしょうがそれでも各話を通して丁寧な展開でしたからね。

ただ、この作品も数多くのアニメと同様に消費されるだけ消費されて他の作品とともにうず高い山に埋もれ、年が明けたら誰からも話題にされなくなってしまうなんて本当に悲しすぎますよ。

話題になるんなら中国のアニメスタジオに発注したことによる作画崩壊ではなく、作品のストーリーの描写で話題になってほしいです。

あまりに作品数が多くて、1作品ヒットしてのこりはアニメファンの記憶にすら残らない作品だらけとか原作がたとえ名作だったとしてもただひたすらにアニメでは使い潰されてしまう、本当にこの業界の先行きが暗黒すぎます。

わたモテのようにアニメの人気は今ひとつだったけど、その後原作の路線変更がうまくハマったケースもごく少数でしょうからね。

アニメはコンビニの新商品のように売り場に並んでから消えるまでわずか2週間と頻繁に入れ替わるものではなく9割以上の作品にはそれがゲームだろうとマンガだろうとラノベだろうと原作があって、個人法人問わず作者、制作者がいらっしゃるジャンルなんですから、一つの作品を長く育成する時代になってほしいですね。

私にはアニメがただひたすらに使い捨てられているようにしか見えてなりません。

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